小説

第三走者(2001年執筆)

矢吹修平はクラスの中でなかなかの女子の間での人気者であった。 だが彼は別に頭がいいわけでも、サッカーがうまいわけでも、特別にかっこいいわけでもない。 ただ、彼は足が早かった。 高校三年生の最後の大会を迎えた彼は、市の陸上大会において百メートル…

河辺から3年(2005年執筆/未完)

あれから三年が経った。僕の周りもすっかり変わってしまった。そして、何よりも僕自身も変わってしまった。 二十三年間の人生を生きてきて、これからそれよりも長いであろう時間を旅していくことになる。きっとこれまで以上に辛く、苦しいことも多いだろうが…

河辺(2002年執筆)

僕の家の近くには川が流れている。大学の帰り道、僕はいつもその河辺を歩いて帰宅する。一人暮らしの狭い巣へは少し遠回りになるが、それが僕の日課である。 この河辺には、様々な人がいる。サッカーや野球をする少年達、散歩を楽しむ老夫婦、愛犬と散歩をす…